これまで交通関係のナッジ事例をいくつか紹介してきました。
今回も、行動科学の視点やナッジのアプローチが含まれる興味深い取り組み事例を国内外から3例ほどご紹介します。
1. 米国・カンザスシティの「交差点アート」
アートで歩行者用の道路を事実上拡張することで、交差点の車の平均速度が45%低下したそうです。
実際に工事を行うよりも手軽でコストが低く実施できそうですね。
参考:
アスファルト・アート・イニシアティブ
事故から歩行者を守る「道路アート」とは?アメリカ・カンザスシティの交差点に学ぶ
2.香港の「地面に映る赤信号」
信号機前の地面に赤いライトを照射することで、歩きスマホ中で、視点や注意が下がっている人にも気付きやすくしています。
日本でも、歩きスマホが原因と思われる踏切事故が発生したことがありますが、何かに集中していると音や光などの警告音が耳に入らないこともあります。このように地面に見慣れない光があることで、違和感を生じさせ、歩きスマホ中の方の危険に気づく可能性が高まるかもしれません。
参考:
歩きスマホをテクノロジーで解決?香港の「地面に映る赤信号」
3.京都「迷惑駐車を防ぐナッジ看板」
本来駐車不可の場所に駐車して客待ちをしているタクシーのコンプライアンス遵守を求める取り組みです。
歩行者側と車道側で異なる内容の看板を立てています。
歩行者側からは、「この窓から見えるタクシーは違法停車中です」というメッセージ、
車道側からは、目のイラストと「違法停車 みんな見てますよ」というメッセージ
が見えるようになっています。
前後比較で、一日あたりの違法停車時間の合計が約9割減少したそうです。
持続性についての検証はこれからかと思いますが、ルールを守ってもらうための取り組みとしてナッジを取り入れることの有効性がわかる例です。
参考:
【違法停車時間が最大9割減少!】タクシー駐停車マナー向上に向けた共同実証の実施結果について ~ナッジを活用した看板がもたらす行動変化~
いかがでしたでしょうか。
いずれのアイディアも、人間の行動の観点から考えられており、比較的低コストで効果が見込める施策と思います。
ぜひ、皆さんの取り組みのヒントにしてみてください!
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