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  • Kaori Uetake

意義を力説するのは逆効果!?職場防災訓練の参加率向上

更新日:2023年2月27日


災害への備えは重要だと頭では分かっていても、


・いつ、どこで、どんな災害が来るかわからないから意味がない

・これまで大丈夫だったし、これからも大丈夫

・まわりの人もそんなに熱心には防災対策していないだろう

・きっとなんとかなるだろう


そんなふうに感じて、日々の忙しい生活の中、防災対策が後回しになってしまうことも多いのではないでしょうか。




このように感じるのは、人間の認知(ものごとの捉え方)システムから言えば、ある意味自然なことではあります。


とはいえ、備えを全くしないわけにもいかないですし、なんとか防災行動、例えば避難訓練への参加などを積極的にしてほしいですよね。




ある大学では、職場での火災訓練の参加率向上を目指して、職員に対してランダムに4種類のメッセージを送り、その効果を検証しました。





①通常版:防災に関する質問と今後の訓練情報のみ記載


②動機付け:訓練への参加が自身や職場の同僚の安全のためにいかに重要かを記載


③実施意図:次回の訓練の日時と場所を用紙に記入してもらう


④動機付け+実施意図:②と③を組み合わせたもの




さて、結果はどうだったと思いますか?



最も参加率が高かったのは、③実施意図で39%(p<0.001)


次に高かったのは、④動機づけ+実施意図で32%(p<0.001)でした。



そして、最も低かったのは・・・


②動機付けメッセージ(12%) でした。


なんと、①通常版(16%)よりも参加率が低かったのです。





③実施意図が含まれていると、参加確率が2倍以上となったそうです。



意義を説明して動機づけを高めるということは、一般的に行われていますが、それよりもスケジュール帳に予定を書き入れてもらうことのほうが、訓練参加という行動につながるようです。




このように、よかれと思ってやっていたことが逆効果だったということもよく見られます。


また、今回ご紹介した調査結果を全ての防災行動の働きかけに適用すれば良いのかといえばそうと言い切ることもできません。行動課題や対象者、文脈によって効果のある働きかけが変わる可能性があります。


それを把握するには、やはりきちんと検証する以外にありません。


適切なナッジを導入すると同時に、客観的な効果検証を行うことが、社会課題解決のための働きかけ改善につながるのではないでしょうか。



出典:BIT (2019) East for Health and Safety

Sheeran, P., & Silverman, M. (2003). Evaluation of three interventions to promote workplace health and safety: evidence for the utility of implementation intentions. Social Science & Medicine, 56(10), 2153–2163



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