これまで、ナッジについて知りたい方に向けて、おすすめの本をテーマ別でご紹介してきました。
今回は、最近発刊された本から3冊ご紹介します!
ナッジについて学びたい方へ、最初の1冊として
「あなたを変える行動経済学」(大竹文雄著)
「行動経済学の使い方」など、数々の行動経済学関連の本を出されている大阪大学の大竹文雄先生の新刊です。高校生向けに実施した行動経済学の講義シリーズをベースに作られた本とのことで、語りかけるような平易な文体ですんなり理解しやすく書かれています。これからナッジについて学びたい方の最初の1冊としてもおすすめです。
世界初のナッジユニットが、ナッジの政策活用の歴史・現状・未来を解説
「行動インサイト」(マイケル・ホールズワース著)
近年、日本でも行政や民間にナッジユニット(ナッジの活用を推進する組織)が設立されていますが、その起源となったのが英国のBehavioural Insights Team(行動インサイトチーム)です。2010年に設立されたBITは今や世界中に展開していますが、著者はその北米オフィスの代表をつとめています。
行動インサイト(行動科学の研究成果から得られた人間の行動や意思決定に関する知見)を、社会課題解決のためにどのように政策に活かしてきたか、実際の活用フレームワークや応用事例、そして今後の可能性とともに紹介、解説しています。
最も包括的なナッジ活用プロセスガイドブック。ナッジ実践をさらに深めたい方へ
「行動インサイト BASICツールキット」(OECD編著)
本書は、2019年にOECDが発行した行動インサイト活用ツールキットBASICの日本語版です。BASICは、行動インサイトを活用するために知っておくべきプロセスや、実践する際のフレームワークとともに、活用するにあたっての倫理ガイドラインも紹介しているのが特徴です。
本書で紹介されているフレームワークの一つに、「ABCDフレームワーク」があります。これは、人間の行動を「気づく」「解釈する」「選択する」「決定する」という4つのプロセスごとに分け、それぞれ気をつけるべきバイアスとその対策となるナッジがまとめられているものです。
これまで発行されているガイドブックの中でもかなり包括的な内容ですので、ナッジへの理解をさらに深めたい方におすすめです。
ABCDフレームワーク(英語版)
Source: OECD BASIC Toolkit
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