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行動科学おすすめ本解説:習慣超大全

仕事や生活に活用できるヒントが盛りだくさんの行動科学(行動経済学や心理学)の本をご紹介していきます。

今回は、「習慣超大全ースタンフォード行動デザイン研究所の自分を変える方法」(BJ・フォッグ著/ダイヤモンド社/2021年)から、そのエッセンスをご紹介します。


なぜ良い行動を習慣化できないのか?

ダイエット、禁煙、ジム通い、資格のための勉強・・・ 毎年のように「今年はやるぞ!」と決意しても、 三日坊主になって続かない、途中で挫折してしまう・・・ 誰にでもそんなことがひとつはあるのではないでしょうか。

今回ご紹介する「習慣超大全(原題:Tiny Habits)」では、どうすれば望ましい行動を継続、習慣化できるかについて紹介しています。 著者のBJフォッグ博士は、スタンドフォード大学行動デザイン研究所の所長を長年務める行動科学の研究者で、Instagramの創業者も教え子の一人。

Instagramが「写真をシェアする」という新たな行動を世界中の人に普及させたことを思えば、この行動デザインモデルが非常にヒントになることがわかりますね。

行動には「動機」「やりやすさ」「きっかけ」の3要素が関係する


私たちは、行動を続けられないとき、よく

「モチベーション(動機)が上がらないので、行動が続けられない」

と言ったりします。


つまり、行動は動機によって生じると考えているわけです。

しかし、「動機」は変化しやすいもの。ちょっとしたことで高くなったり低くなったり、常に感情や状況の影響を受けやすく、そのような変化しやすいものに頼れば当然、行動を継続することは難しくなります。


では、どうすれば良いのでしょうか?

フォッグ博士は、行動の推進力として ・動機 Motivation ・能力 Ability(その行動がどのくらい容易に取れるか=行動の取りやすさ) ・きっかけ Prompt の3つが重要だと言います。


<フォッグ行動モデル>

フォッグ(2021)を参考に筆者作成

このグラフは、行動モデルを図で表したものです。 縦軸が動機づけ(Motivation)、横軸は行動に必要な能力(Ability)を示しています。中央の曲線の内側(緑色の部分)なら行動が生じ、外側の部分(灰色)では行動が生じないということを示しています。

具体的な事例とともに見ていきましょう。


具体例1:行動の先延ばしをやめ、すぐに実行するには

例えば、環境にやさしい活動をしている団体に好感を持っており、寄付したいと考えているAさんがいたとします。


つまり動機は十分高いわけです。ですが、動機だけでは、行動は起きません。能力(行動の取りやすさ)ときっかけが必要になります。


まずは、能力(行動の取りやすさ)を考えてみましょう。

例えば、次のどちらが行動の取りやすさが高いでしょうか?

1 住所や氏名を寄付フォームに入力した上で、口座振込手続きをとる 2 いつも使っているSNSアプリで、寄付ボタンをタップするだけ


1は能力(この場合は手間)がたくさん必要になり、行動の取りやすさは低いと言えます。フォームに入力するだけでも面倒ですが、銀行振り込みの手続きをするための銀行アプリのパスワードを忘れていたりしたら、なおさら行動にストップがかかります。(点A)

2はいつも使っているアプリを開くだけ、かつワンタップで済むので、行動の取りやすさは非常に高くなります。(点B)

もちろん動機が十分高ければ、能力(行動の取りやすさ)が低くても行動できる人もいます。また、どんなに行動がとりやすくても、動機が限りなく低ければその行動はおきないでしょう。

これらに加えて、その行動をとる「きっかけ」が必要になります。


たまたま環境に関するニュースを見たとか、環境保護に熱心な友人と会ったとか、普段見ているアプリにその団体の活動がわかる画像が表示された、期間限定キャンペーンが実施されている、といった機会です。


このように、動機x能力(行動の取りやすさ)xきっかけが揃うことにより、行動が実行されるというのがフォッグ行動モデルの考え方です。


具体例2:悪い習慣を辞めるには

これを逆に考えると、望ましくない行動がなぜ辞められないのかもわかってきます。

例えば、Bさんは「寝る前にスマホを見て夜更かしするのを辞めたい」と思っているとします。この場合は、次のように考えられるでしょう。

行動(B)=寝る前にスマホを見ること 動機(M)=非常に高い(「早く寝たい」という相反する動機もあるが、小さい) 能力(行動の取りやすさ)(A)  非常に高い(スマホアプリは一瞬で起動し、指先でスクロールするだけで次から次へと新しい情報が現れる) きっかけ(P)= 生じやすい(ベッドに入ってから眠るまでが手持ち無沙汰)

このような場合、対策として「能力(行動の取りやすさ)」と「きっかけ」を調整することが考えられます。例えば次のような具合です。


能力(行動の取りやすさ)=低くする 例:スマホをリビングに置き、寝室には持ってこない。スマホ使用制限アプリを使う。(点Bから点Aに移動させる)


きっかけ=スマホを見たいと思ったら、別の行動をする 例:眠る前には、今日あった良いことを思い出す/明日やることを5つ考えるようにすると決め、それを実行する。 こういった自分ルールを作ることで、スマホによる夜ふかし対策ができます。


まとめ

本記事では、「フォッグ行動モデル」を簡単をご紹介してきました。


他にも、本書には

・動機や能力(行動の取りやすさ)を高める具体的な方法とは? ・きっかけの上手な作り方(行動レシピ)とは? ・行動を定着させ、小さい習慣を大きく育てるには? ・悪い習慣を辞めるには?

などの具体的な方法が豊富な事例とともに紹介されています。


「行動のとりやすさ」や「きっかけ(タイミング)」が重要であることは、グリーンナッジ ミニガイドをはじめとするナッジユニットのガイドブックでも強調されています。このモデルと合わせて理解することで、さらにうまくナッジを使えるようになるかもしれません。

ご関心を持った方は、ぜひ読んでみてください!


(文責:植竹香織) (執筆協力:UNGAP 鈴木豪

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